かねてより、多くの国でリップルを使った国際送金の実験が進められていましたが、この度韓国の銀行で実用化されることが分かりました!
海外に先駆けて実用に踏み切るまでには、どんな背景があったのでしょうか?
この記事で分かりやすく説明していこうと思います。
韓国大手の銀行でリップル送金業務がスタート
韓国の経済メディア「チョソンビズ」が伝えるところによると、国内のウリィ銀行が国際送金にリップルを実業務に取り入れることが明らかになりました。
ウリィ銀行は韓国で第3位の預金高を誇る大手の銀行として知られています。
創業は1899年と歴史があるのですが、ネットバンキングが多言語対応していてセキュリティも高いと最先端のサービスが受けられると評判なんです。
ちなみに日本にもあり、港区を拠点に営業していますよ。
同行は2018年1月からリップルを使った送金の実験を行なっており、経過が順調であることから実用化を決定しました。
同行幹部は
「試験運用での結果が良く、日本でも多くの銀行や金融機関が商業的に実用化を進めている」
と語り、ビジネス的な価値があることが導入の決め手だと明らかにしました。
リップルは韓国でも人気の高いアルトコインで、2017年末にリップルSBIアジア社が韓国の銀行と提携を発表した時は1XRP=360円まで高騰したことも記憶に新しいと思います。
規制などで揺れる韓国仮想通貨市場ですが、ウリィ銀行のニュースによりマーケットが活発になると見込まれます。
リップルと従来の国際送金をおさらい
さて、リップルを使った国際送金がなぜ注目されているかという点を振り返ってみましょう。
従来のシステムは銀行の限られた営業時間の中で作業が進められていたため、手続きから着金反映まで時間がかかってしまいます。
日本の銀行は9時から15時までの営業な上に、海外へ送金するとなったら時差が発生する場合もあるので数日から1週間ほどかかる場合もあります。
その上複数の金融機関を経由するので手数料も高くついてしまいます。
銀行によって金額は変わりますが平均で3,000円〜と外国と頻繁にやり取りする場合はかなり負担が大きくなることも・・・
そんな状況を改善するために生まれたのがリップルです。
リップルは他の仮想通貨と比較しても、国際送金に最適な特徴を持っています。
それは…
1.ブロックチェーンを利用したIOU(I owe you)取引
2.取引承認をする人が決まっているので、数秒で決済ができる
3.取引手数料が安い
の3点です。
順番に解説していきますね。
まず最初のIOU取引についてなのですが、これはI owe you(私はあなたに借りがある)の頭文字を取ったものです。
借りがあるなんていうと大げさに聞こえますが、つまり「借用書や取引明細」といった類のものです。
リップルはこれをブロックチェーンに付随することができるので、安全性の高い資金取引が可能なんです。
次は取引承認についてです。
ビットコインなどはPoWという取引承認方式を採用しています。これは計算スピードを競うものです。
そのため、計算が終わるまで取引は承認されずこのアルゴリズムのコインで決済すると数分かかってしまいます。
一方リップルが導入しているのはPoC(Proof of Concensus)というもの。
これはリップル社が選出した、信頼性の高い少人数のノード(承認者)で取引承認を行うシステムで、わずか数秒で決済ができるすぐれものなんです。
また取引する都度にかかる手数料もわずか数円単位というのも、利用する側にとっては嬉しいですよね。
現行のシステムでは先ほども触れた通り、1回の決済にかかる手数料が数千円かかってしまいます。
リップルのネットワークを利用した送金が普及したら、海外でのネットショッピングなどもより手軽に利用できるようになりそうです。
日本では2018年中に実装予定
日本でも2017年から多くの銀行と金融機関でリップルを使った実証実験がスタートしています。
国際送金の実験では日韓の銀行間でテストが複数回行われたようですね。
SBIグループがリップルに出資してできた合同会社リップルSBIがこの動きのリーダーシップをとっており、
三菱東京UFJやみずほ、三井住友銀行などのメガバンクを始め国内60ヶ所以上の金融機関で導入される予定です。
日本での実用化は2018年内になると見られていますが、いつごろになるか詳細な時期は未定です。
まとめ
リップルは国際送金を大きく変える存在として、世界中から注目を集めていました。
世界の国々に先だって実用化するウリィ銀行では、どのように利用され韓国国内に広がっていくのでしょうか。
個人的には、実証実験が2018年1月からはじまって3月に実用化というのは急だな〜と感じなくもないですが…
取引にもスピード感が求められる仮想通貨で、銀行もそのくらいの柔軟性が大切なのかもしれませんね。
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